予防への考え方

予防概念

歯科で予防というと「歯磨き」をイメージされたり、通院している歯科医院でドクターや衛生士さんに歯磨きを徹底指導された記憶がある方も多いことでしょう。
でも考えてみてください。野生の動物は歯磨きをしません。そんな野生動物はむし歯や歯周病でほとんど歯がない状態なのかというと、ほぼお口の中は健全な状態です。

現在の日本で野生の動物のような生活をすることは、かなり困難な状況ですので多かれ少なかれ歯磨きは必要になりますが、その前にもっと重要なことがあります。

それは、単に汚れを落とすこと以上に、「なぜ悪くなるのか」という根本的な環境や機能に目を向けることが大切だと考えます。


むし歯について

皆様のむし歯のイメージは、「むし歯菌があれば、むし歯になる」というものではないでしょうか?例えばこう言うイメージでは?

長岡市 中央歯科

右の図は「カイスの輪」と呼ばれている図で、1960年代(昭和時代)に提唱された理論です。

この頃の考え方であれば、そのイメージは正解です(今でもこの理論しか知らない歯科医療従事者が少なからずいることは非常に残念なことです)。

しかし、時代が進み平成時代(1990年代)になると、フェジェルスコフとマンジの図が示すように、主に「環境」といった外的要因の影響が増えました。
ここで重要なのは「フッ化物」ではありません。時代に合わせたライフスタイルの社会環境「教育・収入・社会階層」、「行動・態度・知識」の、2つの環境要因として「今も重要な2つの項目」が指摘されたことは非常に画期的であり、予防を考える上でとても大切な図です。

そして令和時代は図のように考えられております。

※ フッ素について
フッ素に関しては現在も世界的に賛否両論あるため、当院では患者様からの求めがない限り、基本的にフッ素は使用いたしません。

フッ素入り歯磨剤の使用によるむし歯の抑制率は約30%(高濃度フッ素入り歯磨剤でも約40%)といわれております。

また、フッ素が脳に及ぼす影響を指摘した論文も複数存在します。これらの情報を踏まえ、使用に関しては熟慮の上、ご判断いただきたいと考えております。


歯周病について

【1. 組織の新陳代謝と栄養の重要性】
歯を支えている歯肉(歯茎)や骨の組織は、日々「新陳代謝」によって新しく作り替えられています。この健康な組織の維持(作り替え)をスムーズに行うためには、十分な栄養素が必要となります。

当院では、これだけの栄養素が必要であると考えています。

【2. 特定の歯周病菌(レッドコンプレックス)への対策】
お口のケアにおいては、汚れを落とすだけでなく「菌の種類」にも注目が必要です。もしお口の中に「レッドコンプレックス」と呼ばれる3大歯周病菌が存在する場合、日々のお手入れに配慮が必要になります。

【3. 歯周病を悪化させる「力」のコントロール】
歯周病には、歯を支える骨を減らしてしまうという病態があります。病態によって骨が減ってしまった歯に対して、「歯ぎしり」や「くいしばり」による過度の力が加わると、組織の破壊は加速度的に状態が悪くなっていきますので、こちらにも注意が必要です。

【3. 歯周病を悪化させる「力」のコントロール】
歯周病には、歯を支える骨を減らしてしまうという病態があります。病態によって骨が減ってしまった歯に対して、「歯ぎしり」や「くいしばり」による過度の力が加わると、組織の破壊は加速度的に状態が悪くなっていきますので、こちらにも注意が必要です。


歯並びについて

【歯並びについての考え方】
歯並びは「遺伝する」と思っておられる方がいらっしゃいますが、実は、歯並びは遺伝しません。ただし、骨格や歯の大きさ・形については遺伝します。そのため、例えば「下のあごが上のあごに比べて大きい骨格」で「受け口」(反対咬合)などのケースでは、遺伝する可能性があります。

基本的に歯は、「お口の周りの筋肉」などのバランスがとれた場所に並びます。
良い歯並びを作るためには、プレマタニティ期(妊娠前・妊娠中)からの母体の姿勢や栄養状態、そして出産後の授乳や抱っこ等に関する正しい知識を予め身につけておく必要があります。

これらの知識は、産婦人科や助産師のアドバイスとは異なる場合がかなり多くありますので、ご注意ください。


呼吸やのみ込み(嚥下)などの
口腔機能について

当院で姿勢を重要視するのは、姿勢に連動して問題が多く起きるからです。
人間は口でも呼吸できるという構造をしていますが、運動時以外は極力鼻呼吸が鉄則で、口の周りの筋肉の過緊張なく、楽に唇を閉じていられたり、唾液の正常なのみ込みができることも必要です。

口の周りの筋肉に過緊張が起こらない姿勢、正常なのみ込みが行ないやすい姿勢があり、筋肉を上手く使ったり、必要な筋肉をつけたり維持していくためにも姿勢が深く関与しています。

例えば誤嚥性肺炎などは、急に発症するのではなく誤った呼吸やのみ込みに反射機能の衰えが加わって発症してしまいます。

乳幼児期から正常な呼吸とのみ込みを習得させる育児がとても大切です。
幼児期以降も機能訓練を徹底して行なえば改善できることもあります。
しつけ「躾」という漢字は、きちんとした姿勢を保持することを意味しています。

乳幼児期から正しい呼吸とのみ込みを獲得させていく必要があります。